スケーリング則/ムーアの法則

スケーリング則/ムーアの法則

システムLSI(SoC: System on a Chip)は、約3年ごとに0.7倍のペースで微細化が進んでいます。この微細化のトレンドのことは、スケーリング則やムーアの法則、またはデナードの法則とも呼ばれています。 スケーリング則では0.7倍のスケールダウンにより単位面積あたりの集積密度が2倍になり、同一電圧で1.7倍高速化し、消費電力が半分になる性能向上が図られます。スケーリング則と素子構造お […]

システムLSIの低消費電力化技術(6)  

システムLSIの低消費電力化技術(6)  

昨今はチャージリサイクリングによる低消費電力化の研究が活発です。その1つを今日はお話します。 チャージリサイクリングでViを下げる 以前の記事で解説した数式を1つ思い出していただきたいのですが、CMOSLSIの消費電力の算出で、Pcは(1)「C・Vi・Ve・f」もしくは(2)「C・Ve2・f」で表されます、と申し上げました。このうちViを、「チャージリサイクリング」と呼ばれる低消費電力化を図る技術 […]

システムLSIの低消費電力化技術(5)

システムLSIの低消費電力化技術(5)

今日はアルゴリズムの工夫による低消費電力化についてです。 動画処理の世界では、動画をフレームで記録する際に、データ線の遷移確率を減らすデータ表現等が次々に発表されていきました。今日は私が以前映像録画機器で用いた事例として「符号付き絶対値表現」を用いた低消費電力化手法を紹介いたします。 ビデオ信号のフレーム差分データ処理 記録中の映像フレームで、絵の一部が動いたか、そうではないか、をLSIで検出処理 […]

システムLSIの低消費電力化技術(4)

システムLSIの低消費電力化技術(4)

今日は、アーキテクチャの工夫による低消費電力化の方法です。 アーキテクチャの工夫による低消費電力化の方法として、並列処理、パイプライン処理が従来よりある処理技術として有名です。 並列処理 そのうちの1つ、並列処理の概略図を(図14)に示します。例えば、ある演算器を2つ並列に配置します。この配置ですと演算機1つの場合と比較して、同一スループットに対して演算サイクルタイムを2倍に広げる事ができます。と […]

システムLSIの低消費電力化技術(3) 

システムLSIの低消費電力化技術(3) 

この記事では、システムLSIの低消費電力化技術の1つとして、一世を風靡した8ミリビデオ・カムコーダ用に開発したDRAM混載SoCについてお話します。 8ミリビデオカムコーダとは? 使ったご経験がある方おられると思いますが、個人がテープに録画記録するビデオカメラで、運動会で活躍するお子さんをこぞって撮影するお父さんたち、旅行先で動画撮影のために持ち歩く旅行スタイルなど、当時の生活の楽しみ方を根本から […]

システムLSIの低消費電力化技術(2)

システムLSIの低消費電力化技術(2)

こんにちは。今日はDRAM,SRAM, フラッシュメモリなどの低消費電力化についてお伝えします。 活性化領域の最小化技術とは? DRAM、SRAM、フラッシュメモリ等のメモリでは、ワード線およびビット線分割によるアレー分割によって、その空間的活性化領域を低減し、低消費電力化を図っています。携帯機器等に使用されるプロセッサでは、プロセッサを構成する各機能ブロックへのクロックの供給を必要に応じて断続的 […]

システムLSIの低消費電力化技術(1)

システムLSIの低消費電力化技術(1)

こんにちは。今日はCMOS LSIの性能を上げつつ低消費電力化を実現する技術の1つをご紹介します。 前の記事「CMOS LSIの消費電力と動作周波数」をご覧になる方はこちら 低しきい値MOS技術とは 低電源電圧領域におけるCMOS LSIの高速動作の最大のポイントはVthです。Vthを低くできれば高速化を図れるはずですが、実際はサブスレッシュホールド・リーク電流という別の問題によって効果は制限され […]

CMOS LSIの消費電力と動作周波数(3)

CMOS LSIの消費電力と動作周波数(3)

CMOS LSIについての3回目です。 今日はLSIのデザインルール微細化に伴う低電源電圧化についてお話します。 CMOSLSIの低消費電力化のためには、電源電圧Veの低減が最も有効であることは、前回記事でもお話した通りですが、最大動作周波数FmaxがVeに依存しているので、最大周波数も低下してしまうという問題がございます。これはどう解決したらよいのでしょうか。 デザインルール微細化に伴う低電源電 […]

CMOS LSIの消費電力と動作周波数(2)

CMOS LSIの消費電力と動作周波数(2)

CMOS LSIの続きとなります。 FmaxのVe依存について 前回の最後に最大動作周波数について式(3)を導きました。 MOSトランジスタの飽和領域の特性について、RoはMOSトランジスタのダイナミック・オン抵抗(非飽和領域)、Gmは相互コンダクタンスで(飽和領域)で、この2つは下のような関係にあります。 下の図3にMOSトランジスタの飽和領域の特性を示します。 この図3から、Gm(飽和領域)を […]

CMOS LSIの消費電力と動作周波数(1)

CMOS LSIの消費電力と動作周波数(1)

CMOS LSIの強み LSI(大規模集積回路)はCPUやメモリ、各種デジタル回路など、幅広いアプリケーションで使用されており、現代のエレクトロクス製品になくてはならない技術です。 LSIに搭載するトランジスタを小さくたくさん並べ集積度をあげるほどLSIの演算性能は上がるのですが、様々な課題が発生します。LSIの動作周波数を上げればトランジスタの処理速度は上がりますが、消費電力も上がります。トラン […]