フリップフロップ(FF)①

フリップフロップ(FF)①

今回から何回かに分けて、フリップフロップ(FF)について紹介していきたいと思います。以前のブログに“メタステーブル”と書きましたが、この単語もフリップフロップの紹介の中で説明できたらと思います。 FFというとデジタル回路という感覚をお持ちの方も多いと思いますが、その中では非常に高度なアナログ的な動作が行われています。FFは信号の”1”,”0″を記憶することができるので、カウ […]

ハードウェアアクセラレーションの徹底比較

ハードウェアアクセラレーションの徹底比較

システムインテグレーター(SIer)やソリューション企業にとって、クライアントからの要望は多岐にわたります。最近の技術トレンドであるAIやIoTの普及に伴い、データを活用して業務価値を最大化し、新たなビジネスモデルを構築したいというニーズが急増しています。しかしながら、データ処理の遅さや秘匿性の確保といった課題は、クライアントの生産性向上のボトルネックとなっています。こうしたニーズに対して、SIe […]

BGR(Band Gap Reference)(5)

BGR(Band Gap Reference)(5)

前回はとトランジスタのオフセット電圧が引き起こす問題について紹介しました。 今日は、その対策について触れたいと思います。 トランジスタのオフセット電圧対策 オフセット電圧のためループが誤った動作点に収束し、BGR電圧が起動できなくなることを防止するためには、スタートアップ回路が必要になります。 スタートアップ回路はBGR電圧(VBGR)を監視していて、電圧が低いと(つまり、起動できていないと)何ら […]

BGR (Band Gap Reference) (4)

BGR (Band Gap Reference) (4)

今日はトランジスタのオフセットが引き起こす問題について紹介したいと思います。 回路のバラツキは不可避 物を作るときには必ず製造上のバラツキが発生します。 (コピーすれば同じものが2つ出来ますが、これはデジタル化しているから同じといえるのであって、この世にまったく同じものはないと思っています) バラツキは回路の特性を大きく変えますが、差動増幅器で特に気をつけないといけないのは入力段トランジスタに発生 […]

BGR (Band Gap Reference) (3)

BGR (Band Gap Reference) (3)

BGR(2) からの続きです。今日はBGR(Band Gap Reference)をその周辺回路も含めて紹介します。図1にBGR回路の基準部とアンプ部を示します。 基準部は前回のBLOGで使ったものと同じで、アンプ部はVaとVbが等しくなるようにVBGRを制御します。 BGRの基準部の電位V1,Vbが約0.8VでGNDに近いので、電流源のスペースを確保しやすいPchを入力段を使うことが多いです。 […]

BGR (Band Gap Reference) (2)

BGR (Band Gap Reference) (2)

今日は引き続きBGR(Band Gap Reference)を紹介したいと思います。 図1は前回のBGRの基本部分に抵抗R1,R2を追加したものです。VBGR電圧を変化させると、右のグラフのようにVa,Vbが動きます。前回はVa,Vbに電流源を印加しましたが、今回は簡易的に抵抗を使いました。 右のグラフのVaとVbが等しくなるようにVBGRを制御します。 制御には電圧制御電流源G0を使います。(電 […]

BGR(Band Gap Reference) (1)

BGR(Band Gap Reference) (1)

今日は電源などに広く使われているBGR(Band Gap Reference)について今回は触れてみたいと思います。 BGRとはなにか? Band Gapと言われても、Bandとは? 何と何のGap?などの疑問が出てきますが、その辺りの歴史は良く知りません。ただ、Referenceと言うことから”基準“であることに間違いはないです。 基準電圧を作るには電源電圧を使う(抵抗で分圧して欲しい電圧を作る […]

システムLSIの低消費電力化技術(6)  

システムLSIの低消費電力化技術(6)  

昨今はチャージリサイクリングによる低消費電力化の研究が活発です。その1つを今日はお話します。 チャージリサイクリングでViを下げる 以前の記事で解説した数式を1つ思い出していただきたいのですが、CMOSLSIの消費電力の算出で、Pcは(1)「C・Vi・Ve・f」もしくは(2)「C・Ve2・f」で表されます、と申し上げました。このうちViを、「チャージリサイクリング」と呼ばれる低消費電力化を図る技術 […]

システムLSIの低消費電力化技術(5)

システムLSIの低消費電力化技術(5)

今日はアルゴリズムの工夫による低消費電力化についてです。 動画処理の世界では、動画をフレームで記録する際に、データ線の遷移確率を減らすデータ表現等が次々に発表されていきました。今日は私が以前映像録画機器で用いた事例として「符号付き絶対値表現」を用いた低消費電力化手法を紹介いたします。 ビデオ信号のフレーム差分データ処理 記録中の映像フレームで、絵の一部が動いたか、そうではないか、をLSIで検出処理 […]

システムLSIの低消費電力化技術(4)

システムLSIの低消費電力化技術(4)

今日は、アーキテクチャの工夫による低消費電力化の方法です。 アーキテクチャの工夫による低消費電力化の方法として、並列処理、パイプライン処理が従来よりある処理技術として有名です。 並列処理 そのうちの1つ、並列処理の概略図を(図14)に示します。例えば、ある演算器を2つ並列に配置します。この配置ですと演算機1つの場合と比較して、同一スループットに対して演算サイクルタイムを2倍に広げる事ができます。と […]