高速IF(高速伝送)設計の基礎と実践 -「GHzは怖くない!」③ イコライザ/ Pre-emphasis とは?

高速IF(高速伝送)設計の基礎と実践 -「GHzは怖くない!」③ イコライザ/ Pre-emphasis とは?

高速伝送の3回目、今日はイコライザ機能についてお伝えします。 イコライザ機能 ― 所望の周波数特性を実現するために 前章で述べたように、高速伝送系で“フラットな帯域特性”を実現するには、回路側で積極的に補償技術を導入する必要があります。その代表が「イコライザ(等化器)」です。 イコライザの役割と選択 イコライザは、送信側(TX)や受信側(RX)で異なる周波数特性を持つ回路を組み合わせて、システム全 […]

高速IF(高速伝送)設計の基礎と実践 -「GHzは怖くない!」② 伝送波形の評価(アイパターン)とは?

高速IF(高速伝送)設計の基礎と実践 -「GHzは怖くない!」② 伝送波形の評価(アイパターン)とは?

高速IF(高速伝送)設計のその②です。今回は前回の基本ステップに続く、伝送波形とその評価方法(アイパターン)について解説します。 伝送波形とその評価方法 次ステップで重要なのが「周波数特性の評価」です。2Gbps NRZ信号なら、1GHz帯のS21特性が波形品質に直接効いてきますので、この見極めは重要です。 今回の設計では、図のようにS21: -6.5dB@1GHz S11: <-14dB […]

高速IF(高速伝送)設計の基礎と実践 -「GHzは怖くない!」① 設計成功のカギとは?

高速IF(高速伝送)設計の基礎と実践 -「GHzは怖くない!」① 設計成功のカギとは?

「高速インターフェース」や「高速伝送設計」と聞くと、“GHz帯は上級者向けで難しい”と感じる方が多いかもしれません。しかし、正しい知識と論理的な手順で設計すれば、上級者でなくても十分に挑戦できます。特に、配線(伝送路)やインターフェースの物理特性を正しく理解することが、設計成功のカギとなります。 高速IF設計の基本ステップ 高速インターフェース開発は、下記の流れで進めます。 伝送路のモデリングと評 […]

雑音と誤り率

雑音と誤り率

今回は“誤り率”について少し触れてみたいと思います。 誤り率とは、その字のごとく符号を誤る確立です。つまり、エラーが発生することなので本当は電子機器ではあってはならないことですが、実際の電子回路の世界では、エラーとの戦いが見えない所で、いつも、そしてずっと続いているのです。エラーしないようにするにはどうすればいいのかを考えるのが、電子回路の設計者の仕事の始まりであり、ゴールでもあると思います。 エ […]

フーリエ変換③

フーリエ変換③

今回は、歪んだ波形を元のきれいな波形に戻すにはどんなフィルタが必要か?について紹介したいと思います。 前回の記事はこちら 実験や評価などでオシロスコープを使ったことがあると思います。その時に例えば下図(左)のような波形が観測されたとします。この波形を下図(右)の様にきれいな波形に戻すためには、どんなフィルタを通せば良いのでしょうか? 左の波形はオーバーシュートが発生しているので、その分は減らさない […]

フーリエ変換②

フーリエ変換②

“次回は実際にフィルタを計算で求めて・・・”の予定でしたが、フーリエ変換によって分かることなどをもう少し紹介したいと思います。 前回の投稿 ランダムなデジタル信号の周波数成分を調べることができる 我々が扱うベースバンド信号は、ランダムなデジタル信号である事がほとんどです。 その特徴を調べるために、擬似的なランダム信号、PRBS(Pseudo Random Binary Sequence)を使うこと […]

フーリエ変換①

フーリエ変換①

アナログ回路設計をするうえで避けて通れない変換として、フーリエ変換があります。 フーリエ変換/逆フーリエ変換とは何か? “フーリエ変換”とは、フランスの数学者であるフーリエが発見した定理のフーリエ積分を利用した、時間領域(波形)と周波数領域(波形)の変換公式です。 つまり、“フーリエ変換”は時間軸の波形を、周波数軸のグラフに変換することです。 逆に周波数軸のグラフを時間軸の波形に変換することを“逆 […]

「jω(ジェイオメガ)」とは?

「jω(ジェイオメガ)」とは?

今回は、交流理論でよく使う“jω(ジェイオメガ)”について話してみたいと思います。 (正式には複素関数っていうのですが、われわれの中ではジェイオメガで通じます) 複素関数 複素関数は、 と書き、jが無いRを実部、jが付いているXを虚部と言います。 この式はZの大きさと位相を表していて、 となります。電子回路で扱う要素は”振幅“と”位相“が殆どなので、この(1)~(3)式はオームの法則の次に重要です […]

フリップフロップ(FF)⑥

フリップフロップ(FF)⑥

前回、DFFにはセットアップ・ホールドタイムがあり、このタイミングでデータとクロックを入力すると、正しく出力されず、メタステーブルという現象が発生することを紹介しました。 【前回の記事】 今回は、セットアップ・ホールドタイムの特徴とメタステーブル対策を紹介したいと思います。 シミュレーションに使ったDFFの回路は、DFF(その4)で使った下記の回路です。 セットアップ・ホールドタイムへの影響 DF […]

フリップフロップ(FF)⑤

フリップフロップ(FF)⑤

今回は、セットアップ・ホールドタイムについて触れたいと思います。 前回の記事はこちらです。 DFFの役目 DFFの役目は、「入力されたデータを意図したタイミングで‘1’or‘0’に判別する」です。(1ビットのA/Dコンバータとも言えます)では、どのタイミングで判別するか?と言うと、“マスターラッチが入力されたデータをラッチするタイミング”で判別が行われます。 CLKの“立上り”や“立下り”と表現す […]