CMOS LSIの続きとなります。
FmaxのVe依存について
前回の最後に最大動作周波数について式(3)を導きました。
MOSトランジスタの飽和領域の特性について、RoはMOSトランジスタのダイナミック・オン抵抗(非飽和領域)、Gmは相互コンダクタンスで(飽和領域)で、この2つは下のような関係にあります。
下の図3にMOSトランジスタの飽和領域の特性を示します。
この図3から、Gm(飽和領域)を求めると、(4)式で表されます。
(3),(4)式から最大動作周波数Fmaxは(5)式で表されます。
一般にCMOSは、フルスイング動作なので、Vgs=Veと表せます。またMOSトランジスタのデザイン・ルールをLとすると、スケーリング則により、tox、W、Lg、C はほぼLに比例する。以上から(5)式は(6)式の様に簡略化できます。
更にサブミクロン以下の微細なMOSトランジスタでは、キャリアの速度飽和により近似的にμ ∝√Lの関係にあるので、(7)式の様にも表現できる。
(6)式から電源電圧Veに対する最大動作周波数Fmaxの関係を図示すると図4の様になる。
今回は、式の変形を多用しましたが、最大動作周波数Fmaxが電源電圧Veと依存関係にあることをお分かりいただけたらうれしいです。
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