ディー・クルー・テクノロジーズ Blog

アナログ回路図の記号

寒い毎日が続きますが、いかがお過ごしでしょうか。

会社(横浜です)の前の通りにある木が枝だけになってしまって、ねぐらにしていた鳥たちは今どこで過ごしているのか気になっている、今日この頃です。

皆さんはアナログの回路図って見たことがあるでしょうか。線がジグザグになっていたり、棒が3本あってまるで囲まれている記号がある図面です。最近は全く無いですが、昔はテレビの後ろのパネルには何か図面が貼り付けてあったものです。何の為に貼ってあったのか分かりませんが、子供心に興味深深で、その図面が見たくて埃だらけのテレビの裏を覗いたものでした。デジタル回路は今やRTLやVHDL等の記述言語で表現することがほとんどで、回路図はあまり目にしなくなっていますが、アナログ回路は回路図がまだまだ現役です。

何かの機能を表検するのに”記号”が使われますが、アナログ回路に使う記号はすごく良く出来ています。

その部品やデバイスがどんな動作をするのかが記号を見ただけで分かって(イメージできて)しまいます。

例えば、抵抗は線をジグザグに書きます。

何か通り難い感じをうけませんか?・・・抵抗は線の中を電流を通り難くするのです。

コンデンサはこんなです。

並行した板が向き合ってます(実際に構造もそうなっています)。並行の板の間には何も入っていないので、行き止まりの感じがします。でも、板が近いので急いだら向こう側に行けそうな感じがしませんか?・・・コンデンサは、低周波(ゆっくり)は通し難いのですが、高周波(早く)は通し易いのです。

インダクタはこんなです。

抵抗とちょっと似てますが、線がらせん状に巻いてあります。(これも、実際に構造とおなじ)。

くるくる巻いてあるので、通り抜けるのに時間がかかりそうです。ゆっくり進むときは気になりませんが、急いで通り抜けようとするとくるくるが邪魔になってきます。インダクタは、低周波(ゆっくり)は通し易いですが、高周波(急いで)は通し難いです。トランジスタはこんなです。

ちょっと言葉では説明が難しいのですが、先ず矢印があります。これは、この矢印の方向に電流が流れることをしめしてます。そして、矢印の両端(ベースとエミッタ間)の電圧はだいたい0.7V位であまり変化しません。

もうひとつの端子(コレクタ)には矢印がないです。これは、ここ(コレクタ)の電圧は自由に動くことを示したいのです。トランジスタの回路設計をする時は、

①ベース電圧とエミッタ電圧を決め、

②その値からコレクタに流れる電流を求め、

③コレクタに繋がっている部品や電源電圧からコレクタの電圧を求める

の手順で設計するのが基本です。

アナログの世界は、絵や記号などがすごく重要な意味を持ちます。それは、扱うアナログ量は数字や言葉でよりも、絵や記号の方が表現し易いためなのではないかと思います。これらの記号は世界共通(少し方言がありますが)です。

言葉でいくら説明しても全く分かってくれなかった海外のエンジニアが、回路図と波形をOAボードに書いた途端、

“OK, I understood”

と言った事が何度あったことか。(美斉津)

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