PLL(5)

PLL(5)

だいぶ時間が空いてしまいましたが、PLLのその5を書きたいと思います。 ビヘイビアモデルをつかう 応答速度とジッタの量の関係を確認する 今回は、ビヘイビアモデルを使って応答速度とジッタの量の関係を確認してみたいと思います。 図 1にビヘイビアモデルを使ってPLL全体の回路を示します。(PLLその2-PLLその3で使って物を同じです) まずはノイズ源ですが・・・VCOの制御電圧に意図的に雑音源を入れ […]

PLL (4)

PLLとは「時間を扱う事」 僕はPLLの特徴は”時間を扱う”ことだと思っています。 時間を扱うと言う事は・・・リミッタ(制限)が無いとも言えます。電圧や電流なら普通は電源が供給できる範囲を超えた状態にはならないので、上限/下限があります。しかし、時間には上限も下限もありませんし、制限をかけようも無いのです。 なので、周波数差や時間差などの時間を電圧に変換する位相比較器は、な […]

PLL (3)

今回は「PLL(その3)」です。 前回はパーツ(位相比較器、VCO)をビヘイビアモデルでモデル化し、PLL全体の周波数特性や過渡解析の例を紹介しました。 今回は、PLL特有の問題(キャプチャーレンジなど)に振れたいと思います。 キャプターレンジ 実験室で”PLLがロックしない”といった叫びを聴いたことがあるでしょうか?僕は何度も叫びました。 では、なぜPLLがロックできない […]

PLL (2)

今回は「PLL(その2)」です。 前回はPLLに不可欠な位相比較器をビヘイビアモデルを使ってモデル化しました。 今回は、電圧制御発振器(VCO)をモデル化してPLL全体の動作を、位相や周波数を分かりやすい電圧に置き換えてPLLを説明してみたいと思います。 PLLは、位相比較器、フィルタ+チャージポンプ、電圧(または電流)制御発信器、分周器の4つの要素で作る事ができます。 (チャージポンプや分周器は […]

PLL (1)

今回は「PLL(1)」です。 PLLとは何か? PLLはPhase Locked Loopの略なので、位相がロック(つまり固定した)ループなのです。あらゆる電子器機や機械などPLLを使わない物は無いと言って良いくらい使われています。その基本的な仕組みを何回かに分けて紹介したいと思います。 ループって名前がついていることから、PLLはネガティブフィードバックループ(負帰還)の回路方式です。 Phas […]

負帰還 (3)

少し間が開いてしまいましたが、今回は前回触れなかった「ゲイン余裕」とか「位相補償」について話してみたいと思います。 まずは「ゲイン余裕」が無い場合、どんなことが起きるかを紹介します。 上のボード線図は、位相余裕は90°以上あり十分ですが、ゲイン余裕は9dB程度しかない状態です。 この状態で出ループを閉じてアンプの入力=>出力の周波数特性を見ると、ゲイン余裕が少ない周波数(この例では2MHz以 […]

負帰還 (2)

今回は「負帰還の安定性」について触れてみたいと思います。 負帰還は、戻ってくる値が入れた信号に対して負(つまり、反対)なので、負帰還といいますが、負ではなくなると「正帰還」になります。正帰還は入力した信号と同じ向で信号が帰ってくるので、いっそう入力信号は強調されます。その結果、「発振」という現象が起きます。 意図して発振するのはいいのですが、そうでない場合は・・・いろいろと問題が起きます。 発信器 […]

負帰還 (1)

今回はPLLの元となる「負帰還」について話してみたいと思います。 負帰還は何かを制御するときの基本中の基本です。これを理解していないと、回路が不安定になり時には発振し、大きな問題を引き起こしたりします。 負帰還とは 負帰還回路の”帰還”とは、信号が戻ってくるから帰還といい、戻ってくる値が入れた信号に対して負(つまり、反対)なので、負帰還といいます。 信号Aは処理Aを経由して […]