ΔΣ ADCの基礎と設計手法③ ― 制御理論から読み解く高精度A/D変換

ΔΣ ADC

前章では、ΔΣADCの振る舞いが「フィードバック制御系」と同じ原理で動いていることを説明しました。 本章では、そのフィードバックループを構成する具体的なハードウェア要素について整理します。 第4章 ΔΣADCの構成要素 ΔΣADCは、「少ないアナログ回路で高精度を実現する」という特徴を持っています。構成要素は大きく 積分フィルタ(積分器)・コンパレータ・ディジタルフィルタ の3つです。これらがルー […]

ΔΣ ADCの基礎と設計手法 ②― 制御理論から読み解く高精度A/D変換

ΔΣ ADC

さて今日は、ΔΣ ADCの2回目です。ΔΣの理論の肝であるオーバーサンプリング、そしてノイズシェーピングのアプローチを、量子化ノイズとの関係を交えながら詳しく解説します。 前回1回目の記事はこちらです。 第2章 オーバーサンプリング ◆オーバーサンプリングとは オーバーサンプリングとは、信号の帯域幅よりもはるかに高い周波数でサンプリングすることです。通常のナイキスト系ADCでは、ナイキスト周波数を […]

ΔΣ ADCの基礎と設計手法 ①― 制御理論から読み解く高精度A/D変換

ΔΣ ADC

第1章 ΔΣ ADCとは ΔΣ(デルタシグマ)ADCは、少ない回路構成で高精度(16bit以上)なA/D変換を実現できるA/Dコンバータです。基本構成は、積分器・量子化器(コンパレータ)・ディジタルのフィードバック回路から成り立っており、時間的に平均を取りながら精度を高めるという考え方に基づいています。 ◆ナイキスト系ADCとΔΣ ADC いわゆるナイキスト系ADC(SAR型やパイプライン型など) […]