PLL (2)

今回は「PLL(その2)」です。 前回はPLLに不可欠な位相比較器をビヘイビアモデルを使ってモデル化しました。 今回は、電圧制御発振器(VCO)をモデル化してPLL全体の動作を、位相や周波数を分かりやすい電圧に置き換えてPLLを説明してみたいと思います。 PLLは、位相比較器、フィルタ+チャージポンプ、電圧(または電流)制御発信器、分周器の4つの要素で作る事ができます。 (チャージポンプや分周器は […]

PLL (1)

今回は「PLL(1)」です。 PLLとは何か? PLLはPhase Locked Loopの略なので、位相がロック(つまり固定した)ループなのです。あらゆる電子器機や機械などPLLを使わない物は無いと言って良いくらい使われています。その基本的な仕組みを何回かに分けて紹介したいと思います。 ループって名前がついていることから、PLLはネガティブフィードバックループ(負帰還)の回路方式です。 Phas […]

負帰還 (3)

少し間が開いてしまいましたが、今回は前回触れなかった「ゲイン余裕」とか「位相補償」について話してみたいと思います。 まずは「ゲイン余裕」が無い場合、どんなことが起きるかを紹介します。 上のボード線図は、位相余裕は90°以上あり十分ですが、ゲイン余裕は9dB程度しかない状態です。 この状態で出ループを閉じてアンプの入力=>出力の周波数特性を見ると、ゲイン余裕が少ない周波数(この例では2MHz以 […]

日経XTECH土屋記者様へQalmoをご紹介いたしました。

日経コンピュータの2021年9月号にイジングマシン特集を組まれるなど、量子コンピューティングやイジングマシンに造詣の深い土屋記者様。 今回ディークルー開発技術者から、土屋様へイジングマシンQalmoの取り組みと今後の開発の方向性についてご紹介。 土屋様と量子コンピューティングやイジングマシンの業界動向や、今後のQalmoの開発方向性についても貴重な意見交換をさせていただきました。

負帰還 (2)

今回は「負帰還の安定性」について触れてみたいと思います。 負帰還は、戻ってくる値が入れた信号に対して負(つまり、反対)なので、負帰還といいますが、負ではなくなると「正帰還」になります。正帰還は入力した信号と同じ向で信号が帰ってくるので、いっそう入力信号は強調されます。その結果、「発振」という現象が起きます。 意図して発振するのはいいのですが、そうでない場合は・・・いろいろと問題が起きます。 発信器 […]

エミッタフォロア(その3)

エミッタフォロア(その3)

今回は「エミッタフォロア(その3)」です。 前回はエミッタフォロアの出力インピーダンスを計算しました。今回は入力インピーダンスを計算してみたいと思います。 エミッタフォロアの入力インピーダンスを計算する 等価回路モデルを確認する この等価回路から以下の関係式が導き出せます。 等価回路図から関係式を導く これらを整理して、Vbとibの関係を求めます。 なので前回の式(A)と合わせると、Vbは以下のよ […]

エミッタフォロア(その2)

今回は「エミッタフォロア(その2)」です。 出力インピーダンスを計算する 前回はエミッタフォロアがピーキングを出すことを計算で求めてみました。今回はエミッタフォロアの出力インピーダンスを計算してみたいと思います。前回の回路と等価モデルを再び使います。 等価モデルを見る この等価回路から以下の関係式が導き出せます。 回路の関係式を導く これらを整理して、Veへの伝達関数を求めます。 となります。と、 […]

エミッタフォロア(その1-2)

今回は「エミッタフォロア(その1-2)」です。 エミッタフォロアがピーキングを出すことを計算で求める エミッタフォロアは主にバッファとして使う便利な回路ですが、ときどきピーキングを出して(時には発振して) 僕らの頭を悩ませてくれます。特に負荷が容量性(コンデンサがついている)の時は危険度が増します。 前回は、計算の途中までしかできてなかったので、今回はそのやり直しをしたいと思います。 今回は少しモ […]

エミッタフォロア(その1-1)

今回は「エミッタフォロア(その1-1)」です。 エミッタフォロアとは? エミッタフォロアは、別名コレクタ接地回路とも言います。これはコレクタ電圧が動かない(つまり接地している)からそう呼びます。他にベース接地やエミッタ接地と言った物がありますが、その話は別の機会にするとして、今回はこのエミッタフォロアについて話してみます。英語で書くとemitter follower、直訳は”エミッタが […]

負帰還 (1)

今回はPLLの元となる「負帰還」について話してみたいと思います。 負帰還は何かを制御するときの基本中の基本です。これを理解していないと、回路が不安定になり時には発振し、大きな問題を引き起こしたりします。 負帰還とは 負帰還回路の”帰還”とは、信号が戻ってくるから帰還といい、戻ってくる値が入れた信号に対して負(つまり、反対)なので、負帰還といいます。 信号Aは処理Aを経由して […]