ワイヤレス超音波診断装置とは

病院や健康診断の検査に使われる超音波診断装置は、検査装置本体とプローブがケーブルで接続されるタイプが主流ですが、近年医療現場での需要の高まりから急速に無線化が進んでいます。 無線化は、検査技師が検査時にケーブルを取り回しが不要となり、技師や検査対象者の負担を減らす効果があります。 さらに最近の技術進化により、"ポケットエコー"と呼ばれる、検査装置本体とプローブが一体化し、スマホやタブレットをモニターとして無線接続するタイプも登場するなど、検査装置のワイヤレス化は今大きな潮流となっています。
こうした診断装置無線化の進展は、患者様のポイント・オブ・ケアの支援にとどまらず、救急医療や災害時の救命活動や検査対象部位の拡大、さらには 動物など人以外の事例への応用など、超音波診断の活用シーンを強く拡大しつづけると確信し、開発に取り組んでいます。

equipment

ワイヤレス診断装置の課題

ワイヤレス診断装置は、消費電力を抑えることが重要です。
消費電力が高いとバッテリー容量が大きくなり、プローブの筐体サイズや重量が増えます。逆にバッテリーの持ちが悪いと頻繁に充電・交換が必要となります。いずれのケースも検査技師や被験者が不便・不快に感じやすくなり、検査品質に影響します。

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ワイヤレス超音波診断装置用LSI 「MACADAMIA」とは

D-CLUEは2014年より約10年にわたり、超音波診断装置のプローブ用半導体(AFE)の開発と量産を手掛けています。消費電力と小型化の課題を解決するため、D-CLUEは自社のアナログ・デジタル・ソフトウェア・半導体エンジニアの総力を結集して、プローブ用半導体の実装面積の大幅な削減に成功。医療診断に必要な性能を保ちながら圧倒的な低消費電力を可能にしました。 「MACADAMIA」(開発コードネーム)はワイヤレス超音波診断装置のAFEに特化した専用LSIであり、以下の特長を備えています。

特長

・1チップ構成による小面積LSI実装

D-CLUEが培ったデジタル・アナログのミックスドシグナル技術、高集積化技術、 パッケージング技術によりプローブ用LSIを2チップから1チップへ集積。 従来の超音波AFE構成に比べ約7割の実装面積の削減を可能としました。

・低消費電力

1チップ化に伴い、従来構成に比べて超音波AFE全体の消費電力を約3割低減。 プローブのワイヤレス化を可能とします。これにより、プローブの発熱量を抑えるとともに、 バッテリーの持ち時間を延ばすことができます。

・高性能

128個のトランスデューサと接続し超音波の送受信を制御。送信はチャネル毎に遅延時間の設定が可能。受信はアナログビームフォーミング処理により高SN比の受信信号を出力します。

適用分野

医療検査分野
非破壊検査分野 ※

※ 医療向けLSIをベースに応用検討が可能です。

仕様

「MACADAMIA」は、ワイヤレス超音波診断装置プローブの電力消費やサイズ、発熱量といった課題を解決し、 検査技師・医師・患者様のポイント・オブ・ケアでの利便性を向上させるLSI製品です。

詳細な情報は以下のPDF資料からご覧いただけます。 是非ダウンロードしてご覧ください。

関連情報

※ 本製品は開発中製品につき特長・仕様等は予告なく変更されることがあります。